体を使うすべての表現芸術につながる塩塚さんの発声レッスン
私たちFactory of Dreamsの講師たちに大きな影響を与えてくださっている芸術家の一人に、テノール歌手の塩塚隆則さんが、いらっしゃいます。
どの様なことかと言いますと、
まず、ご自分の専門に対する向き合い方です。
常に求めることを止まず、レッスンの度に新しいことを提供してくださいます。
何と、それらは、体を使って表現する全てのことに通じるのです。
ミュージカルクラス、ダンスクラス、ピアノクラス、もちろん発声のレッスンの質の向上につながっています。
感覚的な指導や、やたらと練習することの強要、精神論が優先される指導などが多い表現芸術の世界に対し、彼は、一石を投じる存在だと思っています。
私たちは、常に根本を求め、論理を大切に、そして楽しく指導してくださるその姿勢と内容から、毎回、大切なものを得ています。
先日、劇団クリエで塩塚さんをお招きして、レッスン会がありました。
全体レッスン、その後の個人レッスンの間も、私たちは、ずっと塩塚さんの指導の場にいます。
個人レッスンの時、ダンス指導や振付をしている美穂先生が、塩塚さんの言葉を耳にすると、稽古場の隅に立って、手を上げたりつま先立ちしたりしていました。
レッスンの後で、
「いやあ、色んなことがつながりました。
そう、脇の下なんですよね。それから、膜。」
と。
(具体的に知りたい方は、是非、美穂先生のバレエ基礎のレッスンを受けてください)
塩塚さんのレッスンを受けることで、役者たちが声を出す前に、舞台に立つ姿勢そのものが変わってきます。
体の軸、骨膜への意識などは、体を使って表現する全てのものの基本なのですね。
でも、これを、体の構造や機能という視点からしっかりと紐解いている芸術家は、非常に少ないのです。
だから、私たちは、手探りや感覚で、これを求めてしまいます。
ひいては、精神論的な言葉や、才能の有無などで片づけてしまいます。
劇団クリエの役者たちだけでなく、クリエのスタッフであり、Studio Factory of Dreamsの講師である私たちにとっても、今回も得ることが沢山あったレッスンでした。